先日、とある中学生の団体をお迎えした時のこと…。
その中の一人の女子生徒に、こんな質問をされました。
「ホテル湖龍の名前の由来を教えてもらえますか?」
なかなか聞かれることの無いその質問内容に、
入社間もない私は残念ながら即答することができませんでした。
勉強不足でお恥ずかしい限り…。
改めて屋号の由来について確認すると…
ホテル湖龍の創業は昭和49年6月1日。
創業当初は【ホテル富士龍園】という屋号で営業をしており、
昭和62年に現在の屋号【ホテル湖龍】となりました。
創業当初から屋号に記されている『龍』の文字は
『龍神』を表しています。
富士山が霊峰富士とよばれ、古くから信仰の対象だったことは皆さまもご存知でしょう。
富士山には周りに河口湖をはじめとした富士五湖と呼ばれる湖があり、
ここには古くから龍神様が住んでいると伝えられ、
それぞれに名前が付いています。
•河口湖 水口龍神
•本栖湖 古根龍神
•精進湖 出生龍神
•西 湖 青木龍神
•山中湖 作薬龍神
また、日本の歴史や神様について書かれた【古事記】や【日本書紀】
といった書物よりも以前の古代文書の中には、
富士には五つの湖だけではなく、富士八湖であったとされています。
大正時代の終わりまでは「富士八海」と呼ぶのが一般的だったそうです。
現代の富士五湖の他には「泉津湖」「明見湖」「四尾連湖」
の3つの湖があったとされ、いずれも富士山周辺にあったということです。
それぞれの湖に住む龍神様の名前は下記の通りです。
•泉津湖 仙水龍神(御手洗龍神)
•明見湖 明見龍神(清氏龍神)
•四尾連湖 尾崎龍神
では、なぜ湖には龍神様が住むと伝えられるのか…。
それは、湖には大波がなく、龍神様が休むのに心地よいから
と言われています。
こうした湖と龍神様の謂れから、
河口湖の地を訪れるお客様にも龍神様とともに湖を眺めながら、
ゆっくりと寛いでほしい…という願いを込め、
当館はその湖と龍から取って【ホテル湖龍】と名付けられました。
冒頭の女子生徒には、すぐに調べて上記の内容をお伝えしました。
こういう機会をいただけたことで
私自身も改めて宿の歴史を勉強することができました。
ありがとうございました。
富士五湖に限らず、全国の湖にも龍神様がいらっしゃるそうですので、
それぞれの湖を訪れた際には、湖の水に直接触れて
龍神様に祈りを捧げてみてはいかがでしょうか。